新人研修を終えた後、生産管理システムの新規開発プロジェクトに参加しました。私は芸術系の大学出身で、ITについてはほとんど知識がなく、プログラミングも未経験。「本当に自分にできるのだろうか」という不安はありました。
一方で、これまで触れたことのなかったプログラミングやシステム開発を、一から学べることへの楽しみもありました。もともと「ものをつくること」が好きだったので、自分がつくったものがシステムとして形になっていくことには、大きな魅力を感じていました。最初は分からないことばかり。先輩に教えてもらいながら、一つひとつ仕事を覚えていきました。
「目の前の仕事」から「全体を見る仕事」へ
仕事に慣れるまで、特に苦労したのが複数の業務を並行して進めることでした。それぞれの仕事にどれくらい時間をかけるのか、いつ次の仕事に切り替えるのか。最初は目の前のタスクをこなすことで精一杯になり、全体のスケジュールを見ながら仕事を進めることができませんでした。そんな経験を重ねる中で、少しずつ仕事の優先順位や時間配分を意識するようになりました。現在では、複数の業務を抱えていても、やるべきことを整理し、自分で時間を区切りながら進められるようになりました。そして3年目を迎えた今、開発だけでなく「設計」も任せてもらえるようになりました。
最大の壁は、「どうつくるか」を考えること
設計を担当するようになって、これまでとは違う難しさを感じました。お客様から「こういう機能がほしい」と要望をいただいても、それをそのまま実現すればいいわけではありません。どのような仕組みにすれば使いやすいのか。実装にはどれくらいの工数がかかるのか。他の機能やシステム全体にどんな影響があるのか。「何をつくるか」だけでなく、「どうつくるのが最適なのか」まで考える必要がありました。最初はどこから考えればいいのか分からず、設計書を前に悩むこともありました。そこで、分からないことは先輩や上司に相談し、設計した内容もレビューしてもらいました。「こういう考え方もあるよ」「ここまで考えると、もっと良くなる」そうしたアドバイスをもらいながら何度も考え直すことで、少しずつ「設計するときに何を考えるべきなのか」が分かるようになっていきました。
自分の考えが、一つの機能として形になった
特に印象に残っているのが、システム内の情報をまとめてExcelに出力する機能を担当したことです。必要な情報をどう取得するのか、どのようにまとめれば使いやすいのか。多くのSQLを書きながら試行錯誤を繰り返しました。簡単に答えが出る仕事ではありませんでしたが、先輩に相談し、自分でも調べ、何度も修正を重ねました。そして最終的に、自分が考えた設計をもとに一つの機能として形になったときには、大きな達成感がありました。「教えてもらったものをつくる」から、「自分で考えてつくる」へ。自分の中で、エンジニアとしての仕事への向き合い方が変わった瞬間でした。
「つくる」だけじゃない。
それがエンジニアの面白さ
このプロジェクトを経験して、エンジニアの仕事は単にプログラムを書くことではないと実感しました。お客様が何を求めているのかを理解し、その要望をどう実現するのが最適なのかを考える。そして、周りの人と相談しながら、実際のシステムとして形にしていく。そこには、芸術系の大学で学んできた「ものをつくること」と通じる面白さがあります。ただし、エンジニアの「ものづくり」には、自分の感性だけではなく、技術や知識、そして使う人のことを考える視点が必要です。だからこそ、もっと学びたいと思うようになりました。これからはさらに設計や上流工程の経験を積み、システム全体を見ながら判断できるエンジニアになりたいと考えています。そして、芸術系の分野で培った「ものをつくることへのこだわり」も活かしながら、一つひとつの機能に責任を持ち、「自分がつくった」と胸を張れる、美しく、使いやすいシステムを世の中に送り出していきたいです。